今朝、出勤前につけていたTVで、雅楽奏者のひとが紹介されていた。
宮中儀式や皇居で行われる雅楽演奏をされていた東儀秀樹さんという方の、暮らしぶりが出ていた。
お子さんもいるのに、生活感のないかっこいい部屋。東儀さんの親の趣味でもあったという3台のクラシックカー、外国製の大型バイク、世界中の楽器なんかも充実していた。
すべて本人の才能・才覚で維持しているものだ。
羨ましいナーと思うことも躊躇われる。
もしお金があったら、何が変わるだろうと考えたことがある。
たとえば1000万、2000万をポンともらったとして、僕の暮らしはどんなふうに変わるだろうか。
ひとは自分の範疇で夢を見る。
もし今の僕がそんな大金を手にしたとしても、きっと無駄遣いして終わってしまうだろうな。
数年前なら、子どもに選択肢を増やしてやることができただろう。生活がいっぱいいっぱいだった僕は、子どもを学習塾に通わせることもできず、私立大学に進学させることなど論外。ムスメを修学旅行にも行かせてあげられなかったし、長男がやらかすアレコレで生活が破たんすることに怯えていた。20年近く入っていた生命保険も全部解約した。
そんな時期をようやく終えて、いまは40代にして老後のような暮らしをしている。野心はなく、安定をむさぼって、質素かもしれないけどほどほどに楽しくやっている。
仮に1000万円が転がりこんできたとしても、多少食生活がよくなるかなという程度で、たいして変わらないだろうと思う。
まず、数年後に控えたマンションの建て替え費用で半分の500万円がなくなる。現状、新たにローンを追加するか、我が家の占有スペースを狭くすることでそれを減額するかという二択となるのを、らくらくやり過ごせることになるわけだ。
そのほかには、発泡酒がビールになるとか、バイクが2台になるとか、薄汚れたカーテンを取り換えられるとか、破れたズボンを買い替えるとか、プラモデル用のエアブラシが買えるとか? まあそんなところだ。
自家用車までは持てないな。維持費が平均月額5万円。300万円の車を買って、残り200万円じゃ3年と4か月だ。
たぶん、東京で僕がヤフオクで買ったポンコツのジムニーを維持していた期間がそれくらいだろうと思うけど、たった数年の道楽のために、車を購入するというのはもったいないような気がする。家族旅行をするわけでもないし。それに300万円程度で欲しい車はない。
2000万円あれば好きな車も買えるだろうけど、話しの根本は変わらない。高価な趣味の車には高額な維持費がかかるわけだし、ただのアシ車ならレンタカーで事足りる。
やはり自動車を所有するためには、収入レベルが変わらなければならないだろう。
ただ、宝くじで1億円が当たったら変わる気がする。
まず、子どもたちに金銭的不安を与えないだけの老後の生活資金を除外・・・いくらだ? 年金もあるだろうから、毎月10万円あれば十分かな? 40年分としたら、4800万円・・・まあ余ったらこどもに小遣いやれるし、5000万円にしておこう。
残り半分、5000万円。マンション建て替えで、ちょっとだけ広くして1000万円。車は購入費1000万円、30年分の維持費ザックリ3000万円。
んー、なんかつまらんな。やっぱ、車はいらないか。
駐車場借りるよりも、土地を買った方がいいかもね。
そもそもこの国で、東京で、自動車を所有するメリットがあんまりないんだよな。本当に欲しいのなら、中小企業のサラリーマンが都心になんか住んでちゃいけないね。
夢はない。
もう、住みたい場所に住んでるし、美人の嫁さんもいるし、子どもも育ったし、バイクもあるし、仕事も楽しいし、これ以上何を望むんだってとこだろう? なんて、最近うっすら思ってる。
そりゃ、スーパーカーに乗ってるぜとか、黒のFDで我慢してるよとか、そんなのも夢だったかもしれないけど、そこに向かって情熱燃やして頑張ってきたわけでもないし、もう身の丈に合った生活でいいなぁー。
いまの僕が生きていく動機なんて、科学技術の進歩を見てみたいとか、特アが崩壊して社会が平和になっていく様子を見てみたいとか、孫の顔が見たいとか、ぜんぶ客体的なものだよ。