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Channel: スライダーズおやじ
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GUNDAM THE ORIGIN Ⅵ 誕生 赤い彗星

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ジ・オリジンは、地球連邦からの独立を宣言したスペースコロニーサイド3の長、ジオン・ズム・ダイクンがザビ家に暗殺されるところから、シャアやセイラの生い立ち、モビルスーツ開発の歴史、ララアとの出会い、コロニーでの暮らしの描写、そして1年戦争に至るまでの経緯が、後付けとは思えないほどの練りこまれたプロットで完成させられたシリーズ。

TVアニメ『機動戦士ガンダム』という作品は、後年、いろいろなガンダム作品が作られる中で、ファーストガンダムと呼ばれるようになった。
 

そのファーストガンダムのアニメ放映当時、僕は中学1年生だった。勉強の良くできる同級生が、ガンダムガンダムと騒いでいたのを不思議に思い、ロボットアニメなんて子どもっぽいなあと感じたが、あまりに薦めてくるので、一度観てみた。ガルマを死なせて干されていたシャアが、左遷から帰ってきたジャブローの回だった。

 

当時、僕の知る範囲でのアニメの常識としては、マジンガーZのミサイルパンチ※のように、ミサイルやレーザー砲というのは基本的に無限。
※後付けで腹部に超高速3Dプリンターを内蔵しているという設定に。材料どっから出てくるんだ、ふざけんなおい(^^;

 

弾薬切れで戦闘の結果が左右されたり、というのがとても新鮮だった。当時、宇宙戦艦ヤマトのファンクラブ会員だった僕は、会報に書かれた西崎プロデューサーからのメッセージで、西崎氏がガンダムをこき下ろし、ヤマトこそ至高、みたいなのがあって、ヤマトの監督がこんなに敵視するアニメってすげえなあ、と逆に感じ入ったものであった。

 

まあ、ティピカルな当時のガキだった僕は、生来ののめりこみ癖から、深夜家を抜け出して、ダイエーにガンプラを求めて並んだり、コンテストで優勝をかっさらうまでのファンになっていた。

しかし、ちょうどガンダムの続編が放映されたとき、僕は高校2年生の終わりで、海外に1年間行ってしまったため、そのブームには乗れなかった。そのまま、ガンダムとの縁?も切れ、10年がたった頃に、中学時代の悪友から「ガンダムウイングみた?」すげーおもっしぇっけ観てみた!」と薦めてきた。

 

OVAだったので、わざわざツタヤで借りて観てみたけど、登場人物が今でいうところの萌えキャラみたいな顔で、もうぜんぜん受け付けられなかった。

しかし、このTHE ORIGINは、ファーストガンダムのキャラデザをした安彦良和の作品! もうそれだけでも問答無用にうれしいのだけど、大好きだったガンダムが、さらにもっと、自分の仕事にするくらいに大好きで、アタマの良いファンがスタッフになり、完成度を高めて、作り上げてくれたものである。

 

これはまさに、僕たち(当時の少年)のための大人のガンダムである。

もし萌えガンダムで離れてしまった人がいたら、ぜひ本作をお試しいただくことをお勧めしたい。

と、前置きはこの辺にして、本作『Ⅵ 誕生 赤い彗星』だが、1年戦争が勃発するまでの人間たちの黒い思惑、政治的な出来事が、ドキュメンタリーのように迫ってくるものだった。

 

ぜひとも本作のテイストで、ファーストガンダムをリメイクし、描き切ってほしい。
そんな贅沢な思いにとらわれるものだった。

 


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