マスター古澤清さんが、昨年11月に鬼籍に入られたとの報を受けました。
僕が29歳で単身上京し、現在の勤め先に契約社員でスタートした最初の日。ランチタイムに先輩に連れてこられた店がこの、スナックぐるめ亭でした。
一口食べて、激辛のカレーで洗礼するという先輩の策略だったことに気が付きました。
最初はびびったものの、食べ進めていくうちに、辛さの中にある深みにとりこになり、大喜びして先輩をがっかりさせてしまったという思い出があります。
それ以来通い始め、そしてお店がビルの立ち退きで閉店する2016年夏まで、18年間、ずっとお世話になりました。
悩みもいっぱい聞いてもらった。
叱られたこともあったし、励まされたこともあった。
良いこともワルいことも、
人生の先輩として、いろんなことを教えていただきました。
息子のようにかわいがっていただきました。
第二の実家のように過ごさせていただきました。
マスターがビーフカレーのレシピを教えたのは、タイで現地赴任の日本人向けに営業するカレー店の女性と、僕の2人だけということです。
政治談議で一緒に保守チームとなって、リベラルチームを論破したり。
JAZZの演奏に混ぜてもらったこともあった。
常連のなかでも一部だけしか参加できない「株主総会」という忘年会に、最後の3年間、ご招待いただきました。
30年以上通うものもいる、うちの会社の人間のなかで、最初で唯一、僕だけに与えていただいた栄誉とのことです。
末っ子が防大をやめたいと連絡してきたことがありました。
防大と似た校風の船員学校を出られたマスターからアドバイスを受け、息子をうまく導くことができました。いま、息子は感謝しています。
防大2年の夏休みの初日。学友といっしょに帰ってきた末っ子を、初めてマスターに紹介することができました。マスターがいなかったら、息子の今の充実した毎日はなかったはずです。そして、この夜の営業で、ぐるめ亭は閉店いたしました。
ギリギリ間に合った。
どれだけ励まされたことか、そしてどれだけ助けにさせていただいたことか。
もちろん僕も、いっぱいマスターを助けました☆彡?
1941年8月22日生まれ。77歳。
心よりご冥福をお祈りいたします。
ありがとう、マスター。
僕もそのうち行きますよ~。