もう半月ほど前ですが、地面師たちを観ました。
この作品はドラマ化になる前から興味を持っていて、原作本を読みたいと思っていました。
なぜこの作品に関心があったか。
土地の所有者になりすまして売買契約を結び、金を騙し取るというフィクションなんだけど、実在の事件をベースにしています。
2017年に実際に起きた、被害額約55億円の「積水ハウス地面師詐欺事件」。
現場が、五反田で今年竣工した、旭化成のタワーマンションとタマホームのマンションの跡地。
その旭化成マンションの同ブランドで同時期の兄弟マンションが、いま僕が住んでいるマンションだからです。
もっとも、あちらは山手線五反田駅至近、こちらは五反田駅・恵比寿駅・田町駅まで等距離という・・あ、高輪ゲートウェイができたんだった。けど、徒歩30分弱かかるかな? 立地だけではなく、敷地の面積も違うし、規模も違うし、価格も当然違うので、こちらが数ヶ月先に竣工したけど、弟分みたいな感じですね。
でも外観はよく似てます。居室各戸のデザインや仕様はほとんど同じです。
まあ、そんな縁のある場所で起きた詐欺事件なので、野次馬的な興味があったんですね。騙されたのは積水ハウスなので、旭化成には一切不利益は出ていません。
五反田のその物件のブランドイメージを毀損するのでは・・という心配もあったらしいですけど、順調に完売でした。そして今や凄まじい値上がりをし続けています。
まあ、そこで人が殺されたとかっていうことではなかったですしね。
んで、ドラマです。
地面師詐欺グループ、カモのデベ、警察という3つの組織が物語を織りなしていきます。
これは面白かった。ところどころ、ドラマすぎる展開はありますが、それも含めて楽しめました。
まあ、僕の理想は脚色なしのノンフィクションだったので、どこまでが実際にあったことなのかなーなんて考えながら観ました。
これは絶対ないないってのは観ていてわかるので、途中からは普通に楽しみました。
役者が豪華〜!
そしてみなさま、とても役にハマっていました。
池田エライザさんの演技も素晴らしくて、そして思っていたほど顔で売れてるわけではないと知り(?)、ファンになったかもりました。シュッとしてるのかと思ったら、タヌキっぽいんですね。
そこはかとない血生臭さもよかったなあ。
あと、設定の中にオレオレ詐欺を絡めてきたり、海外の監獄事情なんかもよかった。
ドラマの中では冒頭タイトルのデザインの中で、実際の五反田の空撮や地図が使用されています。ドラマ内でのロケ地は高輪ゲートウェイの駅前開発地でした。
それと、1話の最初に出てきた、別件の新橋の事件現場のロケ地が勤め先のすぐ近く。
これが妙に嬉しかった。
東京に住んでいて得だなあって思うのは、例えばドラマの中で赤坂の会社から品川港南口にいる主人公に、「おしりふきを買ってきて〜」といった会話があると、平日のこの時間なら20分弱かな? といったことが感覚的にわかることです。
子供の頃、
サーキットの狼という漫画の「公道グランプリ」というレースが行われた舞台を、想像すらできなかったけど、今は、あ、この辺で早瀬はオイル補充したのかとか、ここでピーターソンは海に落ちたのかとか、そういうこと。
作り手は視聴者に土地勘がないことなど気にしてないようです。
地方に住んでいた頃はなんとなくでスルーしていたことが、自分の生活圏とリンクし、リアリティーを追加で楽しめるなあと感じます。
アニメの聖地巡礼みたいなのがあったり、それで町おこしがされていたりします。
この神社と湖の途中の、あ、ここは私の通学路! みたいな感じで、うれしいなと思う人もいると思います。
そうした機会が、東京に住んでると多いのかなという意味です。
さて、五反田のマンション。
ここに住む人たちにとって、ドラマ「地面師たち」が誇らしい〜と思えたらいいなあって、おもっています。