2002年の暮れのこと。歯の治療の前に虎ノ門のマクドナルドでお昼を食べた。
ハンバーガーとポテトSとミルクのセット・・・というか、ポケモンハッピーセットだったかな?
歯が痛かったので、前歯と舌を使ってゆっくりゆっくり食べていたら、ハンバーガーのパティから、口に異物が残るのを感じた。
取り出してみると、1.5mmくらいの乳白色の粒だった。最初は自分の歯の欠片かと思ってびびったが、次々と出てくる。食べ終わるまでに結局、10粒ほどナプキンの上に並んだ。お店の人に言わなきゃなと思い、フタバスズキリュウの化石のように、パティに埋もれつつも露出している大きな異物の部分も探し出して取っておいた。
その粒は骨か歯のようなものだろうと思った。
食事を終えて帰りしな、カウンターの隅っこへ行き、お店のスタッフさんにモノを見せ、小声で事情を話した。対応してくれた店長さんは、こんなものが入っていたことは過去にないという。
本部に送って、結果をお知らせしますというので、連絡先と名前を残して店を出た。
食べ終わっているので、別に料金を返せとかという話しでもなかった。また、他の人は普通に食べているので、同ロットのパティは売るなとかということでもなかった。
それから数週間後、虎ノ門の店長さんから電話がかかってきた。調査結果は、材料となった牛の骨で、部位は特定できないが害はない(狂牛病騒ぎがひと段落した頃だったので、骨であってもヤバイ場合がある)ということだった。
細かくて、他の人から指摘されたことはなかったが、本来は入ってはいけないものだという。
自宅まで本部の人と謝罪に行かせて欲しいと言われたが、断った。
これがもし、「有用なご指摘をありがとうございました」という主旨の金一封だったなら喜んで頂戴するところだが、お詫びとしてお金や何かをもらうようなのは違う気がした。特に被害に遭ったという認識もなかったので。
それに20代半ばの頃、1年半に渡ってマクドナルド(市川の富士エコー)から新潟・長野便の配送の仕事をもらっていたということもあり、そんなに他人という気もしなかった。またその頃、マクドナルドが初の赤字を出したというニュースもあって心配していた。
僕は店長さんにそんな話しをして、「補償は要りませんから頑張ってください! マクドナルドが復活することを祈っています!」などとカッコつけたことを言ったのだった。その後、マクドナルドは売り上げを回復したが、僕の中のイメージは徐々に悪くなっていった。
お店の雰囲気が暗い。終電を逃した連中やホームレスや外国人が寝ている。従業員が遠慮なくバサバサと音を立ててゴミ箱のビニールを交換している。店員に外国人労働者が増え、笑顔もない。コミュニケーションが取りにくい。
そして、徐々にマクドナルドを利用する回数が減っていった。
今はそれでも、年に5回くらいは使うかな。先月も映画前のサクめしでお台場で末っ子とビッグマックセットを食べた。ガキの頃から、それに英国で暮らしていた時も、思い出のいっぱいつまったマクドナルド。
そもそもこの、低価格路線が間違ってるような気がします。若い人を中心に『マクドナルド=貧乏人が腹を満たすための店=安かろう悪かろう=行くやつがバカ』って考えているのが、どうにもしっくりきません。僕の頃はときめきがあったのになあ。
現在のマクドナルドの異物混入ラッシュ・・・というよりも、隠蔽体質や開き直りか。顧客の不信感を煽るような対応を見て、どうしてこうなったのかなあと悲しく思います。
受験勉強のため、学校帰りに毎日、麻布十番店を利用している末っ子くんが、「マクドナルドはもう潰れるかもしれないね」と寂しそうに言っていた。
ほんと、何年の歴史があるだなんて関係ない。
時代が変わるときはツルッと変わるし、終わるときはあっけないからね。
俺は個人的に、今の外人女社長サラ・カサノバはちょっと好きになれないタイプです。原田会長にもなんか魅力を感じない。
どうなっていくのか、少し離れた所から見守っていきたいと思います。
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マック異物混入の経験あります
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